スターシップ対ゴースト

ちょうど一年前、えびのベストアルバムのお渡し会があった。

あの日以前でしっかり話したのは、この日が最後だったかもしれない。

 

最後の会話は、

 

「最後の会話」なんて、重い話にはしたくない。あのお渡し会の日に、最後に話した内容は、私のワガママというか、ただ同情されたかったような、そんな話で。

そのことに後悔はないのだけれど。

「私も色々、なんか色々、えーっとえーっと、頑張るから!!!」

と言ってくれた。

私は笑って、うんうん言いながら聞いていた、日常で辛いことがあっても、りなに会うといつも本当に楽しくて幸せだ。

その日のお渡し会の帰りも、幸せな気分になって、それを思い出しながら次の日から仕事をして、一年経ったいまでも、鮮明に思い出せる。

 

鮮明。

かどうかは分からなくなってきた。気づかないだけで、忘れていることを忘れているだけで、忘れかけていることもあるのだろう。

 

やっと犬を飼ってもらえて、その子が可愛くて仕方ないことを本当に楽しそうに嬉しそうにニヤけながら話してくれたこと。

 

 

 

 

 

 

最近はずっと、仕事から帰ってきたらご飯を食べて、お風呂に入って、家族みんなが寝た深夜2時頃から、ドラマ「カルテット」の録画を見返している。あのドラマは、1/17〜3/21まで放送していた。リアルタイムでも見ていたが、坂元裕二さん脚本の台詞が頭の中にたくさんこびり付いていて、ふとした瞬間に思い出してしまう。

 

リアルタイムで見ていた時よりも、いまになってすごく響く台詞があって、そのシーンを毎日見ている。

 

第9話。警察が軽井沢に来たことにより、真紀が過去を告げるシーン。

 

もう何もかも終わりだというように、みんなを突き放すように言う

「私嘘だったんですよ」

 

真紀の過去に対してすずめが言う

「もう、いい、もういいよ、何にも言わなくていい、真紀さんが昔誰だったかとか、なんにも」

 

「どうでもいい、すっごくどうでもいい」

 

「裏切ってないよ、人を好きになることって絶対裏切らないから」

 

「だって溢れてたもん、人を好きになるって、勝手に溢れるものでしょ、溢れたものが嘘なわけないよ」

 

「真紀さんは奏者でしょ、音楽は戻らないよ、前に進むだけだよ」

 

 

 

「一緒。心が動いたら、前に進む。好きになった時、人って過去から、前に進む。」

 

 

2017年の11月16日、私はこの台詞に生かされている。